ノルディックウォーキングのサイエンスセオリー

日本ノルディックフィットネス協会が主催するブラッシュアップスクールは「ノルディックウォーキングのサイエンスセオリー」と題して、7月10日(日)、国営滝野すずらん公園で開かれました。講師は、日本ノルディックフィットネス協会の竹田正樹会長(同志社大学スポーツ健康学部教授)。

IMG_0029

ノルディックウォーキングは、通常のウォーキングに比べて

・カロリー消費量が高い  ・上肢筋活動量が高い  ・自覚的運動強度が低い

などの特徴があり、高齢者、肥満者、下肢疾患患者でも高い運動効果を得るリハビリテーションと応用されています。

ノルディックウォーキング(NW)は、通常のウォーキングに比べて20%ほど運動量が増大すると言われてきていたが、本当にそのようになっているのであろうか?

竹田教授の実験によると、NWのほうがエネルギー消費量が10%程度高いという結果が出ているとのことだ。初心者は3%程度とのことである。腕の使い方が重要であり、フィットネスレベルのウォーキングでは20%程度になるものと思われれるが、過大評価はいけないとのことだ。つまりヘルスレベルのウォーキングでは20%程度エネルギー消費量が高くなるということでないのかもしれない。仮に10%であったとしてもNWは素晴らしいといえる。

下肢関節の効果では、NWは通常ウォーキングに比べて、第4・5腰椎のせん断方向の負荷軽減効果がみられ、第4腰椎では19.4%、第5腰椎では27.7%軽減することが分かったという。

股関節では、圧縮方向で8.6%、せん断方向で10.0%。膝関節の圧縮方向で12.1%、せん断方向で28%軽減することが分かった。つまり、下肢に障害があるはポールを使ってウォーキングが有効となる。

膝関節患者には、歩幅を短くする。膝を常に曲げておき、膝を延ばさないように配慮する。適切な関節の動きを確保するため、足の着く位置に気を付ける。ポールの着く位置は前足の踵付近。(変形膝関節症の方等には、ポールを使ってウォーキングすることが、膝にかかる上下の負担、特に横方向にかかる負担が大幅に軽減されることになると思われる。小股でゆっくりウォーキングすることが有効かも)

股関節疾患者には、脚の骨(大たい骨など)を軸と仮定し、その軸の上に身体体重心が来るように気を付ける。身体重心が軸の上に載らないような動きを避け、正しい四肢軸を意識する。歩行中の身体の回転運動はできるだけ行わない。

また、ポールを突くときには、肩を痛めないためにもできるだけ静かにつくほうが良い。などの留意点が示された。

意見交換では、パーキンソン病患者のNWの指導の留意点を教えてほしい。ノルディックウォーキングやポールウォーキングなどいろいろな団体があるが、現状はどのようになっているのか?など活発な質問や意見が出され、有意義な研修会であった。   ~それにしても、竹田会長のスリムでなんと足の長いこと。竹田先生は、小学校からクロスカントリスキー競技を続けられ、スポーツ生理学、身体トレーニング学が専門の博士である。現在、全日本クロスカントリースキーチームのフィジカルコーチを務める~

当日は大変な雨で、終了後、滝野すずらん公園内を次年度以降の「ノルディックinいわみざわ」で訪れた際のコースを下見してくる予定であったが、それは断念せざるを得なかった。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)