6月29日から、新型コロナの影響で放送が中断していた朝の連続テレビ小説「エール」が9月14日からいよいよ放送が再開されることになりました。なんとも楽しみです。
朝ドラは年2作で、4月から始まったものは9月末で終わるの通常ですので、再開されたらすぐ終わってしまうのではないかと心配しておりましたが、11月27日が最終回となるそうです。これも一安心。それでも当初130話が、10回減って120回で完結するそうです。
作曲家古関裕而の生涯を描いた「朝ドラのエール」は、福島市商工会議所青年部の皆さんが8年も前から、NHKに対しドラマ化を要請してやっと実現したものと聞いております。今年は2020東京オリンピック開催年であり、タイミングはベストと言えるかと思います。しかし、そのオリンピックも延期となりコロナでドラマも中断するし、ちょっとタイミングが悪いこととなりました。
中断にあたっては、最初からの再放送で楽しませていただきました。5月以降は、7:30BSプレミアム。8:00からは総合テレビと必ず2回は見ていましたが、こんなシーンあったかなとも思うことや、第1回の放送で、昭和39年の東京オリンピックの開会式が始まるときに、誰が誰の墓前でお参りをしているのかが分かりませんでしたが、村野鉄男が、小学校の音楽担当の藤堂先生のお墓にお参りをしていることが理解できました。
また、副音声での解説もよかったと思います。副音声は目に障がいのある方のために考案されたと聞いておりましたが、1週目の山崎育三郎さんをはじめ、森山直太朗さん、銀行の女子職員で藤堂先生の奥さんになった役の堀内敬子さん等が爽やかで良かったと思います。
今回のドラマを見ていて、古関裕而がピアノやギターなどの楽器を使わず、作曲をしている様子には驚きました。普通作曲は楽器を使ってやるものでしょう。まさに天才と言えると思います。
今回のドラマはフィクションです。しかし多くは史実に基づいたフィクションと言えるのだと思います。そうした中では、早稲田大学の応援歌「紺碧の空」を作曲したときの様子は、なかなか見ごたえがありました。ただ、熊ちゃんとしては、「覇者、覇者、早稲田」もいいのですが、慶応大学の応援歌である堀内敬三さんが作曲した「若き力」のほうが好きですね。「慶応、慶応。陸の王者慶応」のほうがいいかな。
「船頭可愛や」のエピソードも面白い。下駄屋の娘である藤丸の歌が売れず、双浦環が歌ってヒットしたとのことであるが、当時の世相からして、この曲のヒットは当然かもしれません。
それにしても、出演している俳優の皆さんの歌がとてもお上手です。皆さんミュージカル俳優と言われる方がだそうで、流石にNHKの配役と言われているようです。まったく吹替なしだそうですからすごいです。
コロンブスレコードが一名の歌手を募集した今週のエールは見ごたえがありました。オムニバス方式と言われた音の父親が天国から戻ってきた週は全然面白くなかったですね。
さて再開されると、戦争が大変状況になっていく中で、「露営の歌」「暁に祈る」「若鷲の歌」等がどのよう生まれたか、つまり、軍部との駆け引き等がどのように表現されるかが見ものです。特に「暁に祈る」は福島三羽烏の野村俊夫役の鉄男が作詞しましたが、軍部からの圧力で、いつも「あー、あー」とため息ばかりだったそうです。そこで最初の「あーああ、あの顔であの声で、手柄頼むと妻や子が・・・」の詩になったそうです。その詩に古関裕而が曲をつけ、伊藤久男役の久が歌ってヒットした言うことになります。
家出同然に作曲のため東京に出てきた古関裕而。当初は、親せきや近所の方からも白い目で見られていたようですが、そのうちに「息子さんが作曲したんですってねえ」と言われるようになり、菊池桃子が演ずる母親は、ずいぶん誇らしく思ったということが、「NHKのビッグシー」で放送されていたのを思い出します。そんな場面は出てくるかなあ。
ただ、古賀政男もドラマの中で出てきますが、古賀政男の戦時中の歌は聞いたことがありません。どうしていたのでしょか。
そして、終戦。これからが古関裕而の世界だ。「鐘の鳴る丘」の主題歌である「とんがり帽子」。この曲のジャンルは、童謡になるのでしょうか。そして夏の高校野球の「栄冠は君に輝く」、5,000曲以上作曲した中で古関裕而が一番気にっていると言われている小樽市出身の岡本敦郎が歌った「高原列車は行く」。幼いとき古関少年は、いつも列車を見ていたそうです。そして、鎮魂歌「長崎の鐘」等々と続いていくものと思います。
どのようにして、新しい曲が出来上がったのか、その背景に注目をしてドラマを拝見したいと思っています。